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『つきのふね』

半月ぐらい前に、夫が新聞を読んでいて私に言ったことを、
このあいだ思い出した。
新聞には、森絵都さんの本の書評が載っていて、それを読んだ夫が
「この人の本読んだ事ある? たぶん好きそうな本だよ」と教えてくれたのです。

ふう~ん、と思って、今度一冊読んでみようかなと思っている矢先に、
直木賞受賞という話が飛び込んできました。

でも本屋にはあっというまに、受賞者の過去の作品がずらっと並べられたので、
へそまがりな私は、なんとなく読む気がなくなってしまっていたのです。

それでも何度目かに見かけたこの『つきのふね』という文庫は、
題名とか表紙の感じがよかったので、ふと手にとってみて。
それから最初の数行を読んで、気にいって。
で、とうとう買ってしまった。

家に帰って一気に読みました。途中何度もいいなあ、いいなあと思いながら。
いいなあと思ったのは、文章の中に入り込んでいることが、
単純にとっても気持ちよかったからです。
何か爽やかな内容の本を読みたい、と思って本屋に行ったのだから、
これ以上ないくらい期待どおりの本でしたね。

内容は決して軽くない、どちらかというと重苦しいようなできごとが
次々と起こるのですが、
読んでいるこちらに伝わってくるものは、けっしてどろどろしていない。
正負どちらかといえば、正の方へ向かう圧倒的なエネルギーを感じる。
若さが持つ未知数のパワーがぐいぐいと押し寄せてきます。

終わり方もいい。何だか、題名も途中もラストも、いいなあ、ホントいいなあ
と思ってしまう本でした。

解説に、この本は児童書だけど大人の方がストレートに伝わると書いてありましたが、
本当にそうだと思いました。
『大人のほうが絶対に、この作品に弱い』<解説>より

同感です。これは絶対に大人が読んで素敵な本だと思いました。
こういう本を書く人がいて、世の中に認められている。
何だかその事で、私はすごく元気になれるような気がしたのです。
by riro11 | 2006-07-23 23:57 | 激奨


花が咲こうと咲くまいと、生きていることが花なんだ      (by イノキ)


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