やっと読み終えた。

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 
リリー・フランキー:著


普段このくらいの読みやすい本は、一気に読破するのだけど、
今回だけはそうはいかなかった。
だんだん読み進めるのが怖くなった。イヤになった。
クライマックスは悲劇だと知っているから。

ページをめくる手がたびたび止まって、
最後は、休み休みしか読めなかった。

でもその悲劇は、想像していたものとは少し違っていた。
そこには、真摯な愛情がいっぱいいっぱいいっぱい、
ちりばめられていたのでした。



******
『東京タワー』といっても江國香織さんの本ではありません。
幸いな事に私は、下ネタ・爆笑路線のリリー・フランキーさんを知りません。
だから何の先入観もなく読めました。
この本は、著者のリリー・フランキーさんの、自伝的エッセイ小説とも言うべき本です。

小さい時からオカンと二人っきりだったリリーさんが、
大切なオカンの供養のような気持ちで作った本。

本の装丁(デザイン)をする時、考えたことは一つだけでした。
大切に扱ってもらえる本にしたい。紙の手触りとか、重さとか、心地良くしたい。
そして、これはオカンの本なのでオカンなテイストにしたかったのです。

シナモン日記vol.7>より
そんな作者の思いがいっぱいつまった、本でした。

最後の方で、東京タワーが効いてきます。
こんなに切ない思いで、東京タワーを見ている人間がいたってことを
知りました。

作者は言います。
誰しもがかつて大きかったはずの母親の存在を、小さく感じてしまう瞬間がくる。

それは、母親が老いたからでも、子供が成長したからでもない。きっとそれは、子供のために愛情を吐き出し続けて、風船のようにしぼんでしまった女の人の姿なのだ。

子育てに奮闘中のお母さん、ちょっと疲れたお母さん、
そして思春期の男の子に絶望しかけているお母さん。
ぜひ読んでみるといいです。
読み終わった後、トンネルの先の明かりが見えるような気がします。
泣きに泣いた後、心の中にポッと温かい火が灯り、それがずっと続いて
自分を暖めてくれるような、そんな本でした。

「追記」
一番最後で出てくる、オカンの日記に挟んであった一枚の紙切れ。
そこに残されてあったのは、以前にぶんぶんさんが紹介してくれた詩
葉祥明「母親というものは」でした。

色々とつながっているなあ、と運命を感じる一冊になりました。
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by riro11 | 2005-11-10 15:32 | 激奨


花が咲こうと咲くまいと、生きていることが花なんだ      (by イノキ)


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