宅配便の融通

外出から帰ってくると、宅配便の不在連絡票が入っていた。
P便は個人業者に委託しているらしい。不在連絡票に書いてあった携帯電話に連絡を入れると、やけに威勢のいいおじいさん?とおぼしき人の声。
「ああ、はぁい、はぁい。これからだとねー、あと一時間ほどで、行きますよー」




「一時間ですか。あー、困ったなぁ。私、あと30分したら、また娘のお迎えで出かけちゃうんですよ。だから今から30分以内か、それが無理なら二時間後だったら、確実にいるんですけど…」

「う~ん、30分か。30分じゃ行けないなー。う~ん」

「じゃあ、二時間後でいいですよ。なんなら明日でも・・・」

「何言ってんだい、いや、今日中に絶対行くよ。じゃあ、二時間後ねー」と電話は切れた。

*******

15分後。ピンポーン、と玄関のインターホンがなる。
「はい」と出ると
「あっ、さっき電話したP便ですー」
えっ、二時間後じゃなかったの。

玄関の扉を開けると、電話で聞いた声ではおじいさんだったが、実際に対面してみると、どうやらおじさんらしき人が、ニコニコしながら立っていた。
「随分早かったですねぇ」と言うと、おじさんは更にニコニコしながら、
「うん。遅くなるとさあ、あの道込んじゃうから、やっぱり先にこっち来ちゃった。おかげで、3軒すっとばしちゃったよー。がははは」
と笑っていた。

・・・・・・
そういえば、まだ長男が幼稚園に行く前、よく私の実家から宅急便が届いた。
実家はいつもY宅急便を使っていた。うちの地区は何年も担当のお兄さんが変わらず、
近所の人も私も、その宅配のお兄さんとはすっかり顔なじみになっていた。

ある日、近所の公園で長男を遊ばせていると、大きなトラックが公園の前で止まった。
中から、あのY宅急便のお兄さんが降りてきた。
「ああ、やっぱりここにいた。今、家に行ったらいなかったから、ここかなぁって思って。
荷物ですよー。ええとご実家からだ」
「え~、それ、重い?(こんな所に持ってこられてもなあ…)」
「う~ん、けっこう、重いかなあ」
「じゃあ、家の前に置いといてよー」
「いいよ、じゃあサインだけちょうだい」

そうしてY宅急便のお兄さんは、またトラックに荷物を乗せて公園から引き上げていった。
そこで一緒に子供を遊ばせていた近所のママさんも、やはり公園まで乗り付けられたことが
あると言っていた。
そういえば、その当時、バギーを押して歩いていたら、「奥さーん、後で行くからねー」と
トラックから声をかけられたこともあったっけ。

その後、あのお兄さんは配置換えで担当を離れ、それと同時にY宅急便も
頻繁に来ることもなくなっていった。
個人情報保護法などなかった、のどかな時代のお話である。
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by riro11 | 2005-06-03 22:57 | 痛快


花が咲こうと咲くまいと、生きていることが花なんだ      (by イノキ)


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